RESEARCH

2021年度研究テーマ

  • 電気パルス粉砕および撹拌型粉砕による廃コンクリート中のセメントペースト・骨材の相互分離(経産省・北九州市立大学・企業共同)

    電気パルス粉砕および撹拌型粉砕と物理選別を適用することにより,廃コンクリート中の骨材分とセメント分を相互分離してセメント産業における資源循環性を高めるとともに,CO2排出量の大幅削減を図る。特に本年度は昨年度に得られた知見を基に実用化プラントの設計を行うので,それに資する検討を行う。

  • 物理選別の適用による太陽光発電パネルのリサイクルプロセスの構築(環境省・企業共同)

    太陽光発電パネルから銀・銅等の各種金属類および高純度ガラスの製造プロセスを,特に,風力選別・エアテーブル選別の高効率化により構築する。本年度は昨年度得られた成果を基に実用化プラントの設計を行うので,それに資する検討を行う。また,実験データと理論を融合させることにより,風力選別・エアテーブル選別における粒子形状の影響に関する基礎研究を行う。

  • LIBSソーティングによる鉄合金類の相互分離(環境省・立命館大学・企業共同)

    当研究室が開発したLIBSソータを使用して,国内処理が課題となっている鉄合金類およびミックスメタル類の相互分離プロセスを確立する。まずは,磁着物中に含まれるフェライト系およびマルテンサイト化したステンレス鋼中のCr,Niを検出することにより,それらの除去・相互分離の可能性を探るとともに,将来の鉄合金類相互分離プロセス確立に向けた基礎研究を行う。

  • LIBS・XRFソーティングにおけるプラスチック中のハロゲン検出プロセスの開発(立命館大学共同)

    臭素系難燃剤を含む廃プラスチック類は,今後,製品としての使用が禁止される傾向にあり,その選別技術を確立するため,LIBS・XRFソーティングを適用してその検知システムを確立する。特に,本年度は,両手法における粒子の形状・表面状態(粗度・汚れ・塗装・メッキ等)・移動等の影響を詳細に探る。

  • 電気パルス粉砕による石炭中の鉱物質の高度単体分離(経産省・電中研・群馬大学等共同)

    石炭炊き火力発電の課題となっている石炭灰の発生抑制のために,石炭中に存在する鉱物質を電気パル粉砕により事前に高度単体分離させ,その後の選別除去の高効率化を図る。本年度は比較的鉱物質含有率が高くそのグレインサイズの大きい試料を対象に,各種条件にて電気パルス粉砕を行い,その産物を詳細に分析することにより,石炭質・鉱物質の単体分離機構を解明する。

  • 廃リン酸鉄リチウムイオン電池からの各種金属類の回収(企業共同)

    近年利用が広まっているリン酸鉄リチウムイオン電池からグラファイトを含む各種成分の回収プロセスを,放電・解体・破砕・選別各処理の高効率化を図りながら検討する。本年度は,焙焼前後での各種特性変化とその後の破砕・選別に関する基礎試験を行い,各種産物のXRD・XRF・MLA分析を行って,破砕・選別の基礎挙動を把握するとともに,その機構解明を行う。

  • アルミドロスの有効利用に関する基礎研究(企業共同)

    アルミドロスに選択粉砕・物理選別を施すことにより,金属アルミ品位の高い金属アルミ回収用原料とそれの低いG水素製造用原料に振り分ける。具体的には,選択粉砕により,延性・展性のある金属Al相を粗粒側に,それ以外の脆性を持つアルミ酸化物・窒化物を細粒側に濃縮し,両者が混合する中粒側には電気的選別を施して両原料化を推進する。

  • 産廃焼却主灰からの各種金属回収およびCr分の除去(企業共同)

    産業廃棄物の燃焼主灰はセメント原料化することが望ましいが,そのためにはハロゲンとともにCr分の除去が必要となる。昨年度の成果として,適切に粉砕した後に特に高磁場磁選を施すことにより,主としてステンレスとして存在するCr分を磁着物として除去できることが判明した。本年度は,その実用化にあたって,試料の処理粒群幅の拡大と含水率の影響を検討する。

  • 微粒子選別に関する基礎研究(企業共同)

    現状の抗廃水処理や近い将来のリサイクルにおいて,数十µm程度の微粒子の成分分離,特に比重選別は重要な単位操作であり,本研究ではその新たな選別機構・装置開発を行う。特に脈動を含む水流による微粒子の挙動を詳細に解析するとともに,実際に各種装置を試作し,その効果を実現する。