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 理プロセスによる環境調和型資源循環の実現を目指して

本研究室では、資源循環の適正化に関して、成分分離技術の高度化という技術的アプローチを行っています。分離技術は大別して、物理選別と化学・高温分離の2種類に分類されます。それぞれの特徴を下表に示しましたが、循環型社会の構築にはこれらを適正に組み合わせることが肝要です。特に物理選別は、環境負荷発生の少ない優れた技術ですが、その理論的背景が薄弱で未解決の問題も多く、それを解決するのが本研究室でのメインテーマです。具体的には、固体の粒度、形状、密度、電気的・磁気的特性、光学的特性、表面ぬれ性、化学組成等々の差を利用して各種成分を分離します。こうした固体の特性は、バルク物性と表面物性の2種類に分類でき、それぞれに固有の特徴を持つことになります。また、成分分離を行うための前処理として破砕・粉砕(正確には構成成分の単体分離)の段階も重要であり、この操作において後段の分離の限界が決定するといっても過言でなく、この段階も本研究室での主たる研究対象です。



 大和田 秀二教授

混ぜればゴミ,分ければ資源

大和田 秀二
OWADA, Shuji

早稲田大学理工学術院教授
【略歴】
1956年1月生まれ。1984年早稲田大学大学院理工学研究科資源及金属工学専攻博士後期課程修了(工学博士)。その後、同大学助手・専任講師・助教授を経て1995年より教授、現職。科学技術・学術審議会委員、産業構造審議会委員、日本学術会議連携会員、NEDO技術委員、環境資源工学会会長、資源・素材学会会長、東京大学・東北大学・秋田大学客員教授などを務める。専門は、リサイクル工学・資源分離工学。資源・素材学会、環境資源工学会での論文賞、国際会議EARTHでのBest Paper Award、Lifetime achievement Awardなど受賞多数。著書は、『ゴミゼロ社会への挑戦(日経BP社)』、『リサイクル・廃棄物事典(産業調査会)』など多数。